公開日: 2026年7月10日
第一種と第二種電気工事士の違いは、大きく分けると「できる工事の範囲」「試験の構成」「免状がもらえる条件」の3点に集約されます。第二種は住宅や小規模店舗までの一般用電気工作物が対象で、合格すればすぐに免状が交付されます。第一種はそれに加えて工場・中小ビル等の自家用電気工作物まで扱える一方、免状交付には実務経験が必要です。本記事では、試験センター・経済産業省の公表情報にもとづいて3つの違いを整理します。
| 区分 | 対象となる電気工作物 | 具体例 |
|---|---|---|
| 第二種 | 一般用電気工作物等 | 一般住宅、小規模な店舗・事業所の屋内配線等 |
| 第一種 | 一般用電気工作物等+最大電力500kW未満の自家用電気工作物 | 上記に加え、工場・中小ビル等の受電設備 |
第一種電気工事士試験の出題範囲は「最大電力500kW未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業」、第二種は「一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業」と試験センターの資料に明記されています。第一種は第二種の対象範囲を含み、より規模の大きい設備まで扱える資格です。
学科試験・技能試験とも、構成に差があります。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 学科試験の科目数 | 7科目 | 9科目 |
| 技能試験の候補問題数 | 13問(No.1〜No.13) | 10問(No.1〜No.10) |
| 技能試験の時間 | 40分 | 60分 |
| 学校卒業による学科免除 | あり(電気工学の課程を修めて卒業した方等) | なし |
第一種の学科試験では、第二種の7科目に加えて「電気応用」「発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性」など、大規模設備に関わる科目が加わります。また第一種には学校卒業による学科試験の免除制度がなく、前回・前々回の合格や電気主任技術者免状の保有など限られた条件でしか免除されません。技能試験は第二種が候補問題13問・40分、第一種は候補問題10問・60分と、1問あたりの複雑さと時間配分が大きくなります。現在はどちらも上期・下期の年2回実施です。
最も実務的な違いが、免状が交付されるタイミングです。
この実務経験の年数は、法改正の対象になった制度です。電気工事士法施行規則の改正により、令和3年4月1日以降の交付申請では、合格日にかかわらず学歴を問わず一律3年以上で足りることになりました。改正前は大学・高専の電気工学系課程を修めて卒業した人が3年以上、それ以外は5年以上と、学歴により必要年数が異なっていました。
実務経験には対象外の工事もあります。電気工事士法上の「軽微な工事」、特殊電気工事(最大電力500kW未満の需要設備向けネオン工事・非常用予備発電装置工事)、5万V以上の架空電線路の工事、保安通信設備の工事はカウントされません。また試験合格前の実務経験も算入対象になるため、合格時点ですでに第二種電気工事士として3年以上の実務経験があれば、合格後すぐに都道府県知事へ免状交付を申請できます。
まず資格を取りたい、早く現場に立ちたいという場合は第二種の技能試験対策から始めるのが現実的です。実務経験を積みながら第一種の学科・技能対策を進めれば、合格後すぐに免状を申請できます。工場やビルの受変電設備まで手がけたいなら、第一種の取得が次の目標です。その先には電験三種(第三種電気主任技術者試験)を目指すキャリアパスも一般的です。
第二種は一般住宅・小規模店舗までの一般用電気工作物が対象で合格後すぐに免状が交付されるのに対し、第一種はより規模の大きい自家用電気工作物まで扱える代わりに、合格に加えて3年以上の実務経験が必要です。試験構成も候補問題数・試験時間・学科免除の有無まで細かく異なるため、自分がどこまでの工事を目指すかで選ぶ資格を決めるのが現実的です。
電気工事士の試験対策アプリで、第二種の技能試験・第一種の学科技能、それぞれの対策方法を確認してみてください。
本記事は、一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省とは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、試験制度・実務経験要件等の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。