建設業経理の試験ガイド

建設業経理士と日商簿記の違い・取得の順番

公開日: 2026年7月10日

建設業経理士検定試験(1級・2級)は、建設業法施行規則第18条の3に基づく「登録経理試験」として、一般財団法人建設業振興基金が実施する試験です(公式資料より)。一方の日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する、業種を限定しない一般的な商業簿記・工業簿記の検定です。結論から言うと、両者は実施団体も出題範囲も異なる別の試験で、経営事項審査(経審)で評価されるのは建設業経理士検定だけです。本記事では制度上の違いと、どちらを先に取るべきかの考え方を整理します。

実施団体・法的位置づけの違い

項目建設業経理士検定(1・2級)日商簿記検定
実施団体一般財団法人建設業振興基金日本商工会議所
法的な位置づけ建設業法施行規則第18条の3に基づく登録経理試験業種を限定しない商工会議所検定
経審での評価対象(公認会計士等の数で加点)対象外

出題範囲の違い

建設業経理士検定は、建設業特有の勘定科目や会計処理を中心に出題されます。2級は「実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行えること」(受験案内より)が到達目標で、未成工事支出金・完成工事高・完成工事未収入金といった、工事契約特有の勘定科目や工事原価の計算が中心になります。

日商簿記は業種を問わない一般的な商業簿記・工業簿記が範囲で、建設業に特有の勘定科目や工事契約の会計処理は対象に含まれません。すでに日商簿記で仕訳や原価計算の基礎に慣れている場合、建設業経理士の学習では建設業特有の勘定科目・処理の部分に集中して上乗せする形になります。

経審での扱いの違い

経審(建設業法第27条の23)の「公認会計士等の数」で評価されるのは、建設業法施行規則第18条の3に基づく登録経理試験、つまり建設業経理士検定(1級・2級)の合格者です(建設業振興基金の公表資料より)。日商簿記の資格そのものは、この評価の対象に含まれていません。建設業界での実務評価を意識するなら、最終的には建設業経理士の取得が必要になります。

どちらを先に取るべきか

簿記の学習経験がまったくない場合は、仕訳や帳簿の仕組みといった基礎を先に押さえておくと、建設業経理士2級の学習がスムーズになります。すでに簿記の基礎に慣れている場合は、建設業特有の勘定科目・工事原価計算に絞って建設業経理士2級から直接挑戦しても無理のない範囲です。逆に建設業界での実務評価を急ぐ場合は、遠回りをせず建設業経理士から始めても問題ありません。受験資格に制限はなく、どなたでも希望の級から受験できます。級の選び方に迷ったら建設業経理検定で全体像を確認するのもおすすめです。

よくある質問

日商簿記の知識は建設業経理士の学習に役立ちますか?
仕訳や原価計算の基本的な考え方は共通する部分が多く、土台として役立ちます。そのうえで建設業特有の勘定科目や工事契約の会計処理を上乗せして学習する形になります。
日商簿記は経営事項審査(経審)で評価されますか?
建設業振興基金の公表資料によると、経審の「公認会計士等の数」で評価されるのは建設業法施行規則第18条の3に基づく登録経理試験(建設業経理士検定1級・2級)の合格者です。日商簿記の資格は、この加点の対象には含まれていません。
両方の資格を取る意味はありますか?
日商簿記で業種を問わない簿記の基礎を、建設業経理士で建設業特有の実務知識を、それぞれ確認できます。建設業界で経理・財務に携わる場合は、段階的に取得しておくと知識に厚みが出ます。

まとめ

建設業経理士検定と日商簿記検定は、実施団体も出題範囲も異なる別の試験で、経審で評価されるのは建設業経理士検定だけです。簿記の基礎がなければそこから、すでに基礎があれば建設業経理士2級から、と自分の経験に合わせて選ぶのが現実的です。

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本記事は、一般財団法人 建設業振興基金等の試験実施団体とは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、試験制度・経営事項審査の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。