公開日: 2026年7月10日 / 更新日: 2026年9月3日
公共工事の入札に参加する建設業者が受ける経営事項審査(経審)では、建設業法施行規則第18条の3に基づく「登録経理試験」、つまり建設業経理士検定試験(1級・2級)の合格者が評価対象になります(一般財団法人建設業振興基金の公表資料より)。結論から言うと、2級はすでに加点の対象で、1級はさらに評価が高く設定されています。本記事は2026年9月時点で確認できた建設業振興基金の公表情報にもとづいており、経審の評価基準は見直されることがあるため、最新の運用は申請前に必ず公式資料でご確認ください。
建設業経理検定は、1級・2級が建設業法施行規則第18条の3に基づく「登録経理試験」として、3級・4級は建設業振興基金独自の検定試験として実施されています。経審(建設業法第27条の23)の「公認会計士等の数」で評価されるのは、このうち1級・2級建設業経理士検定試験の合格者です。3級・4級(建設業経理事務士検定試験)は、この加点の対象には含まれていません。
建設業振興基金の公表資料によると、社内に雇用する「経審で評価される1級合格者」と「経審で評価される2級合格者」の人数から、次の式で公認会計士等数値を算出します。
公認会計士等数値 =(1級合格者の人数 × 1)+(2級合格者の人数 × 0.4)
2級合格者1人は1級合格者の0.4人分として計算される計算式です。1級のほうが係数は高いものの、2級の時点ですでに加点対象に含まれている、という点がポイントです。
経審で評価される1級・2級合格者は、次のいずれかに該当する人に限られます。
令和5年3月31日までは、すべての1級・2級合格者が評価される経過措置がありました。それ以降はこの5年基準が適用されており、5年を超えた合格者を引き続き評価対象にするには、登録経理講習の受講が必要です。
公認会計士等数値とは別に、Wの「監査の受審状況」という評価項目もあります。会計監査人設置会社は20点、会計参与設置会社は10点、そして社内の1級合格者が経理処理の適正を確認し自ら署名した書類を提出する「自主監査」は2点が加点されます。この自主監査は1級合格者に限られた評価で、2級合格者には認められていません。1級を目指す実務的な理由の一つです。
合格から5年を過ぎた人を引き続き評価対象にするための仕組みが登録経理講習です。建設業振興基金は登録経理講習の実施機関第1号として国土交通省に認定されており、「建設業経理士CPD講習」の名称で実施しています。注意したいのは、これが聞くだけの講習ではないことです。基金の説明では、合格後5年を経過した者は登録経理講習を受講し、かつ試験に合格しなければ評価対象にならないとされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受講対象 | 登録経理試験の1級合格者・2級合格者、および1級・2級建設業経理士登録講習会を受講した方(登録経理試験の1級・2級合格者に限る) |
| 講習時間 | 講義6時間+試験1時間=計7時間 |
| 受講料 | 18,000円(税込) |
| 試験の合否判定 | 1級は正答率70%以上、2級は60%以上 |
| 有効期限 | 修了年月日から5年を経過した日の属する年度の年度末(3月31日)まで |
(出典: 建設業振興基金「建設業経理士CPD講習」)
試験に不合格だった場合も、そこで終わりではありません。基金の案内では、合格基準点に達しなかった方を対象に、任意で1回限りの再試験が用意されています。試験時間60分・再受験料5,000円(税込)のWEB試験で、パソコンでもスマートフォンでも受験でき、受験期間は講義を受講した日から5年後の年度末までの間であればいつでも可能とされています。
有効期限が「5年後の年度末」で切られている点は、経審の審査基準日との関係で効いてきます。合格者側の評価期間も同様に、合格日から5年を経過した日が属する年度の年度末(3月31日)の審査基準日まで、という形で定められています。自社の審査基準日がいつかによって、講習を受けるべき年度が変わることになります。
経審の手続きで合格の事実を示す場面に備えて、証書の扱いも押さえておく価値があります。基金の案内では「合格証書は、合格時に一度だけ発行するもので再発行はできません」と明記されています。紛失した場合や氏名が変わった場合は、代わりに合格証明書の発行を申請することになります。
申請は郵送で、合格証明書発行申請書に身分証の写しと返信用封筒(角2・180円切手貼付)、証明書1枚につき200円分の定額小為替を添えて送ります。発行までに2週間程度かかる場合があるとされています。氏名が変わった場合は、変更前後の氏名が確認できる公的書類の写し(裏書のある運転免許証や戸籍抄本等)も必要です。なお定額小為替の代わりに郵便切手を送っても受け付けられないと明記されているため、ここは間違えやすい点です。この合格証明書は経営事項審査の手続きの際に使用できると案内されているため、申請の予定がある場合は日程に余裕を持って手配してください。
経審の「公認会計士等の数」は2級からすでに加点対象で、1級はさらに係数が高く、監査に関する加点も1級だけに認められています。加点を維持するには合格後5年以内という条件もあるため、実務で評価を活かしたい場合は早めに取得しておくと安心です。
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本記事は、一般財団法人 建設業振興基金等の試験実施団体とは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、経営事項審査の評価基準・最新の運用は必ず公式資料でご確認ください。