不動産管理の試験ガイド

宅建と賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者の違い

公開日: 2026年7月15日

宅建士(宅地建物取引士)と賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者は、いずれも国家資格ですが、対象とする取引や建物が異なる別の資格です。結論から言うと、宅建士は不動産の売買・賃貸の仲介、賃貸不動産経営管理士は賃貸住宅の管理、管理業務主任者はマンションの管理と、担う実務が違うため「どちらが上位か」で比べるものではありません。宅建士を取得したあとに管理系の資格を目指す人も多く、実務の方向性に応じて選ぶのが現実的です。本記事では、各試験実施団体の公表資料にもとづいて、3資格の業務範囲と試験の違いを整理します。

業務範囲・設置義務の違い

項目宅建士賃貸不動産経営管理士管理業務主任者
主な対象不動産の売買・賃貸の仲介賃貸住宅の管理業務マンションの管理業務
実施団体一般財団法人不動産適正取引推進機構一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会一般社団法人マンション管理業協会
設置義務宅建業者の事務所ごとに、業務に従事する者5人に1人以上(宅建業法)賃貸住宅管理業者の営業所・事務所ごとに1名以上(業務管理者の要件となる資格)マンション管理業者の事務所ごとに1名以上(管理受託する管理組合数に応じて増員)
業務の例重要事項説明・37条書面(契約書面)への記名業務管理者として管理受託契約の重要事項説明等管理組合への重要事項説明・管理事務報告等

宅建士が扱うのは売買・仲介の場面、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者が扱うのは管理を任されたあとの場面と考えると整理しやすくなります。マンションの管理組合へ助言する専門家であるマンション管理士も合わせた不動産管理3資格の全体像は、不動産管理の資格対策アプリでも比較できます。

試験制度の違い

項目宅建士賃貸不動産経営管理士管理業務主任者
出題数・時間50問・120分50問・120分50問・120分
令和7年度受験者数245,462人31,792名14,435人
令和7年度合格率18.7%29.5%19.6%
令和7年度合格基準点50問中38点50問中36点
令和7年度試験実施月10月11月12月

(出典: 一般財団法人不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」/一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会「令和7年度 賃貸不動産経営管理士試験の概要」/一般社団法人マンション管理業協会「令和7年度 管理業務主任者試験 結果報告」)

※宅建士の合格基準点は本記事では記載を省略しています(年度により変動。不動産適正取引推進機構の合格発表ページをご確認ください)。

宅建士は受験者数が24万人を超え、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者と比べて受験者層の厚い試験です。合格率だけを見ると賃貸不動産経営管理士の方が高くなっていますが、出題範囲や受験者の実務経験もそれぞれ異なるため、合格率の高低だけで単純に難易度を比較できるものではありません。

宅建士の資格で試験の一部が免除されることはない

宅建士の資格があっても、賃貸不動産経営管理士や管理業務主任者の試験が自動的に一部免除されるわけではありません。賃貸不動産経営管理士の5問免除は「管理士講習」の修了者が対象、管理業務主任者の5問免除は「マンション管理士試験の合格者」が対象で、いずれも宅建士は対象に含まれていません。宅建士として学んだ民法や借地借家法の基礎は本試験の土台として役立ちますが、制度上の免除にはつながらない点は押さえておく必要があります。

宅建取得後の次の一手

宅建士として売買・仲介に携わったあと、賃貸管理やマンション管理の実務に関わるようになった場合、宅建士の知識に加えて管理系の資格を取得しておくと業務の幅が広がります。賃貸住宅のオーナー対応や管理受託契約を扱うなら賃貸不動産経営管理士、マンション管理会社の実務に関わるなら管理業務主任者、管理組合側への助言業務まで視野に入れるならマンション管理士が、それぞれの実務に直結します。次回以降の試験日程は不動産管理の試験日程で確認できます。

よくある質問

宅建士と賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者は同時に活かせますか?
はい。宅建士は売買・仲介の重要事項説明等を、賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者はそれぞれ賃貸管理・マンション管理の実務を担う資格で、対象業務が異なります。仲介から管理まで幅広く関わる不動産会社では、複数資格を組み合わせて業務範囲を広げる人も多くいます。
宅建士の資格があれば、賃貸不動産経営管理士や管理業務主任者の試験は一部免除されますか?
いいえ。賃貸不動産経営管理士の5問免除は管理士講習の修了者、管理業務主任者の5問免除はマンション管理士試験の合格者が対象で、宅建士はどちらの免除対象にも含まれていません。
独占業務があるのはどの資格ですか?
宅建士は、重要事項説明や37条書面への記名など宅地建物取引業法上の独占業務が明確にあります。管理業務主任者も、管理組合への重要事項説明・管理事務報告などを担う独占的な位置づけの業務があります。賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業者に選任が義務付けられている「業務管理者」の要件となる資格で、業務範囲は賃貸住宅の管理受託契約に関する説明等が中心です。

まとめ

宅建士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者は、対象とする取引や建物が異なる別の国家資格で、優劣で比べるものではありません。宅建士の資格による試験免除もないため、それぞれの実務に必要なタイミングで取得を検討するのが現実的です。

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本記事は、一般財団法人不動産適正取引推進機構・一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会・一般社団法人マンション管理業協会等の試験実施団体とは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、業務範囲・試験制度の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。