電気工事士の試験ガイド

第一種電気工事士 技能試験の候補問題と当日の流れ

公開日: 2026年8月20日

令和8年度下期の第一種電気工事士 技能試験は2026年11月21日(土)に実施されます。技能試験を受けられるのは学科試験の合格者と学科試験免除者だけですが、それでも合格率は直近の公表値で5割台〜6割台にとどまり、受験者の4割前後が不合格になっています。候補問題は毎年公表される10問、試験時間は60分。候補問題13問・40分の第二種とは、問題数も時間も、扱う設備も異なります。本記事では、電気技術者試験センターが公表している資料にもとづいて、第一種の技能試験の全体像を整理します。

令和8年度の候補問題と試験時間

令和8年度の候補問題は令和8年1月6日に公表され、No.1〜No.10の10問です。技能試験の問題は、この10問の配線図の中から出題されます。試験時間はすべての問題について60分の予定とされています(変更になる場合があります)。

項目内容
候補問題No.1〜No.10令和8年1月6日公表)
試験時間全問共通で60分の予定
出題範囲最大電力500kW未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業
工事種別ケーブル工事・金属管工事・合成樹脂管工事
受験できる人学科試験の合格者・学科試験免除者

(出典: 電気技術者試験センター「令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表について」)

公表されるのは単線図です。配線図や施工条件の詳細は当日の試験問題に明記され、電源・機器・器具の配置が変更される場合があること、機器・器具には端子台で代用するものがあることも、あわせて注記されています。つまり公表候補問題は「完成品の設計図」ではなく、当日どの回路を組まされるかの範囲を示したものだと考えるのが正確です。

第二種とはここが違う

項目第一種第二種
候補問題の数10問13問
試験時間60分40分
出題範囲最大電力500kW未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物等一般用電気工作物等
令和8年度下期の試験日11月21日(土)12月12日(土)または12月13日(日)

数字以上に大きいのは、扱う設備の違いです。第一種の候補問題には6,600Vの高圧受電から始まる回路が並び、変流器(CT)、計器用変圧器(VT)、電磁開閉器、タイムスイッチ、三相誘導電動機といった機器が登場します。これらの多くは端子台で代用して施工することになり、一般住宅の配線が中心の第二種とは、練習で身につけるべき作業が変わります。両資格の位置づけの違いは第一種と第二種電気工事士の違いで整理しています。

第一種で増える「欠陥」の注意点

合否は作品に欠陥があるかどうかだけで決まり、欠陥が一つでもあれば不合格です。判断基準そのものは第一種・第二種の共通資料として公表されていますが、第一種の候補問題で扱う要素が多い分、注意すべき箇所も増えます。

もちろん、未完成、配線図に示された寸法の50%以下、リングスリーブの選択・圧着マークの誤り、差込形コネクタの心線の見え方といった共通の基準も、そのまま適用されます。判断基準の全体像は技能試験の「欠陥」とはで解説しています。

試験当日の流れ

  1. 集合。 入室禁止時刻を過ぎると受験できません。受験票も必須です。
  2. 試験開始前の説明。 一般的な注意事項の確認があり、以後は監督員の指示に従います。
  3. 材料の確認。 試験問題と材料箱が配付され、問題表紙の材料表と材料箱の中身を照合します。試験開始前に試験問題を開くと不正行為になります。
  4. 作業(60分)。 監督員の合図で一斉に開始します。
  5. 終了。 合図で直ちに作業を終え、早く終わった人は受験番号札の取り付けや整理整頓を行います。
  6. 退出。 作品を確実に預かるため、一人ずつ退出します。

ここで見落とせないのが材料確認の位置づけです。材料の不足・不備・不良品は材料確認中に申し出る必要があり、試験開始後は、リングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじを除いて交換・追加支給が一切行われません。支給された材料だけで完成させる前提で練習しておくことが、そのまま当日の保険になります。

工具の制限を先に押さえる

公表資料で繰り返し注意喚起されているのが電動工具です。

合格率の実績

年度・期技能試験 受験者合格者合格率
令和6年度 上期11,589人6,607人57.0%
令和6年度 下期16,783人10,397人62.0%
令和7年度 上期11,876人6,548人55.1%
令和7年度 下期16,527人9,961人60.3%
令和8年度 上期12,514人7,019人56.1%

(出典: 電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験の推移」令和8年7月更新。合格率は受験者数と合格者数から算出)

学科試験を突破した人だけが受けてこの水準です。学科の知識がそのまま加点されるわけではなく、時間内に欠陥なく仕上げられるかという別の能力が問われる、と考えて準備するのが現実的です。

よくある質問

学科試験に合格した年に技能試験へ合格できなかった場合、翌年も学科は免除されますか?
前回または前々回に第一種電気工事士の学科試験に合格した方は、申請により学科試験が免除されます(この場合は証明書類も不要です)。このほか、第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状の交付を受けている方も、免状の複写を提出することで学科試験の免除対象になります。
技能試験に合格すれば、すぐに第一種電気工事士として働けますか?
試験の合格と免状の交付は別です。第一種電気工事士の免状交付には、軽微な工事や特殊電気工事などを除く電気工事に3年以上従事した実務経験が必要で、交付を行うのは居住地の都道府県知事です。試験合格以前の実務経験も対象になるため、合格時点ですでに3年以上の経験があれば、すぐに申請できます。
電動ドライバーは、電源を切っておけば持ち込めますか?
持ち込めません。充電式の電動機能付工具も電動工具として扱われ、電動機能をOFFにして使う場合でも使用できないと明記されています。試験中の使用は不正行為として失格の対象になるため、試験会場に持参しないよう案内されています。

まとめ

第一種電気工事士の技能試験は、公表された候補問題10問の中から1問が出題され、60分で仕上げる試験です。高圧受電から始まる回路や端子台で代用する機器など、第二種では扱わない要素が加わり、欠陥の注意点も端子台・ボンド線・金属管へと広がります。候補問題ごとの複線図を描けるようにしたうえで、欠陥の判断基準を数値で覚え、材料と工具のルールを先に頭へ入れておくことが、当日の失点を減らす近道です。

第一種電気工事士 学科・技能サポートで、候補問題と欠陥チェックの対策を進められます。試験日程は電気工事士の試験日程、単線図から複線図を書き起こす手順は電気工事士 複線図の書き方入門でご確認ください。

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本記事は、一般財団法人 電気技術者試験センターとは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、候補問題・欠陥の判断基準・試験日程・工具や材料の取扱い等の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。