公開日: 2026年7月23日
建設業経理士1級は、原価計算・財務諸表・財務分析の3科目すべてに合格して初めて「1級建設業経理士」になれる、科目合格制の試験です。結論から言うと、どの科目から受けるべきかに決まった正解はありませんが、建設業振興基金が公表している直近5回のデータでは、原価計算がすべての回で3科目中もっとも合格率が低くなっています。本記事では、3科目の合格率の推移と性質の違いから、科目の選び方と科目合格の有効期限(5年間)の使い方を整理します。
建設業振興基金の公表資料によると、1級の内容は「建設業原価計算、財務諸表、及び財務分析」の3科目です。到達目標は「上級の建設業簿記、建設業原価計算及び会計学を修得し、会社法その他会計に関する法規を理解しており、建設業の財務諸表の作成及びそれに基づく経営分析が行えること」とされています。建設業経理士1級は各科目が独立して合否の決まる科目合格制で、合格通知書に記載された日から5年間、その科目の合格が有効になります。3科目とも有効期限内であるうちにそろえることで、1級建設業経理士として合格証明書が交付されます。受験資格に制限はなく、どなたでも希望の科目から受験できます。
建設業振興基金が公表している、直近5回分の1級の科目別合格率は次のとおりです。
| 実施回 | 財務諸表 | 財務分析 | 原価計算 |
|---|---|---|---|
| 第34回(令和6年3月) | 36.8% | 45.8% | 20.1% |
| 第35回(令和6年9月) | 33.5% | 27.1% | 20.1% |
| 第36回(令和7年3月) | 31.9% | 26.4% | 24.8% |
| 第37回(令和7年9月) | 27.9% | 27.0% | 17.7% |
| 第38回(令和8年3月) | 30.1% | 28.7% | 22.5% |
(出典: 建設業振興基金 過去の実施状況)
この5回でみると、原価計算はすべての回で3科目中もっとも合格率が低い科目になっています(17.7%〜24.8%の範囲)。一方、財務分析は26.4%〜45.8%ともっとも振れ幅が大きく、財務諸表は27.9%〜36.8%の範囲で比較的安定して推移しています。この傾向が今後も続くとは限りませんが、直近の実績としては押さえておく価値があります。
3科目の性質は次のように異なります。
得意分野や実務での必要度に応じて選んでかまいませんが、もっとも合格率が低く安定している原価計算を後回しにしすぎると、5年間の有効期限内に3科目そろえる計画が窮屈になりやすい点は意識しておくとよいでしょう。建設業経理士1級は科目別の対策に対応しているため、苦手科目にしぼって重点的に取り組むこともできます。
建設業振興基金の公表資料によると、1級試験は上期(1級・2級を実施)と下期(1級〜4級を実施)の年2回実施されており、1級はそのどちらでも受験できます。年2回のペースなら、5年間の有効期限のうちに上期・下期あわせて理論上10回前後の受験機会がある計算になり、1科目が不合格でも十分に立て直せます。また、1級については他の級との同日受験はできませんが、1級内であれば複数科目を同じ試験日にまとめて申し込むことも可能です。3科目を1年に1科目ずつ、あるいは得意な2科目を同時に受けて残り1科目に時間を割く、といった計画が立てられます。
建設業経理士1級は原価計算・財務諸表・財務分析の3科目で、直近5回のデータでは原価計算がもっとも合格率が低く安定しています。どの科目から受けるかに正解はありませんが、年2回の実施と5年間の有効期限を踏まえて、無理のない計画を立てることが大切です。建設業経理士1級 合格ドリルで、まずは1問解いて手ごたえを確かめてみてください。
本記事は、一般財団法人 建設業振興基金等の試験実施団体とは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、受験資格・試験制度・合格率等の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。