公開日: 2026年8月12日
消防設備士 乙種のうち、1類(屋内消火栓・スプリンクラー設備等)・2類(泡消火設備)・3類(不活性ガス・粉末消火設備等)・5類(避難器具)の4類は、乙種4類(自動火災報知設備)や乙種6類(消火器)に比べて情報が少なく、難易度がわかりにくい区分です。結論から言うと、この4類は問題数・試験時間・合格基準といった試験の枠組みが共通しており、違うのは扱う設備と、出題が機械系中心か電気系もあわせて出題されるかという点です。本記事では、消防試験研究センターの公表データにもとづいて、4類それぞれの出題構成と合格率の推移を整理します。
乙種消防設備士は、どの類も受験資格に制限がなく、学歴や実務経験を問わず誰でも受験できます。消防試験研究センターの公表情報にもとづく、1・2・3・5類に共通する試験の枠組みは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 制限なし(誰でも受験可) |
| 筆記試験 | 30問(消防関係法令10・基礎的知識5・構造機能整備15) |
| 実技試験 | 鑑別等5問(製図はなし) |
| 試験時間 | 1時間45分 |
| 出題形式 | 筆記は四肢択一式、実技は写真・イラスト・図面等による記述式 |
| 合格基準 | 筆記は各科目40%以上かつ全体60%以上、実技は60%以上 |
| 受験料 | 4,400円 |
(出典: 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」「試験の方法」)
問題数・試験時間・合格基準はどの類でも共通ですが、消防関係法令のうち類別の4問は類ごとに異なる規定を扱い、基礎的知識・構造機能整備は機械系・電気系の出題比率が類によって異なります。4類の違いをまとめると次のとおりです。
| 類 | 扱う設備 | 基礎的知識 | 構造・機能整備 |
|---|---|---|---|
| 乙種1類 | 屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧消火設備等 | 機械3問+電気2問 | 機械8問+電気4問+規格3問 |
| 乙種2類 | 泡消火設備 | 機械3問+電気2問 | 機械8問+電気4問+規格3問 |
| 乙種3類 | 不活性ガス・ハロゲン化物・粉末消火設備等 | 機械3問+電気2問 | 機械8問+電気4問+規格3問 |
| 乙種5類 | 金属製避難はしご・救助袋・緩降機等の避難器具 | 機械5問(電気なし) | 機械9問+規格6問(電気なし) |
(出典: 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」)
表のとおり、1〜3類は基礎的知識・構造機能整備のいずれも機械系・電気系の両方から出題されるのに対し、5類は電気の出題がなく機械系の知識に集中できる点が異なります。実技はどの類も鑑別等5問のみで、製図が課されるのは甲種だけです。受験日程は都道府県ごとに定められており、東京(中央試験センター)では年間を通じて複数回実施されています。具体的な日程は消防設備士の試験日程で確認してください。
乙種1類は、屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備等を扱う区分です。消防試験研究センターが公表している直近3年の合格率は次のとおりです。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 2,137人 | 602人 | 28.2% |
| 令和6年度 | 2,161人 | 669人 | 31.0% |
| 令和7年度 | 2,048人 | 584人 | 28.5% |
(出典: 消防試験研究センター 試験実施状況)
受験者数は乙種のなかでは少なめですが、水系消火設備はオフィスビルや商業施設など幅広い建物に設置されており、実務との結びつきが強い区分です。甲1・乙1(屋内消火栓・スプリンクラー設備等)の対策アプリで対策できます。
乙種2類は泡消火設備を扱う区分です。基礎的知識・構造機能整備の内訳は乙種1類と同じく機械・電気の両方から出題されます。直近3年の合格率は次のとおりです。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 679人 | 175人 | 25.8% |
| 令和6年度 | 761人 | 200人 | 26.3% |
| 令和7年度 | 790人 | 235人 | 29.7% |
(出典: 消防試験研究センター 試験実施状況)
乙種のなかでも申請者数が少ない区分の一つですが、油火災に強い泡消火設備は駐車場や危険物施設などで採用されています。甲2・乙2(泡消火設備)の対策アプリで対策できます。
乙種3類は、不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備等を扱う区分です。直近3年の合格率は次のとおりで、今回取り上げる4類のなかでは最も低い水準で推移しています。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 1,144人 | 253人 | 22.1% |
| 令和6年度 | 1,193人 | 282人 | 23.6% |
| 令和7年度 | 965人 | 259人 | 26.8% |
(出典: 消防試験研究センター 試験実施状況)
水を使いにくい電気室やボイラー室などの消火に使われるガス系・粉末系の消火設備を扱う区分で、駐車場の不活性ガス消火設備なども対象です。甲3・乙3(不活性ガス・粉末消火設備等)の対策アプリで対策できます。
乙種5類は、金属製避難はしご・救助袋・緩降機等の避難器具を扱う区分です。基礎的知識・構造機能整備のいずれも電気の出題がなく、機械系の知識に集中できる点が他の3類との違いです。直近3年の合格率は次のとおりです。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 1,232人 | 415人 | 33.7% |
| 令和6年度 | 1,166人 | 374人 | 32.1% |
| 令和7年度 | 1,168人 | 481人 | 41.2% |
(出典: 消防試験研究センター 試験実施状況)
今回取り上げる4類のなかでは合格率が最も高い年が多く、電気の科目がない分だけ対策範囲をしぼりやすい区分といえます。甲5・乙5(避難器具)の対策アプリで対策できます。
他の消防設備士の免状や電気系の国家資格をすでに持っている場合、申請により試験科目の一部が免除されることがあります。対象になる資格や免除される問題数は類ごとに細かく定められているため、詳しくは消防設備士の科目免除まとめで確認してください。
乙種1・2・3・5類は、問題数・試験時間・合格基準といった試験の枠組みは共通していますが、扱う設備と、基礎的知識・構造機能整備で電気系の出題があるかどうかが異なります。消防試験研究センターの公表データでは、直近3年の合格率は乙種5類がやや高く、乙種1〜3類は低めの年が多い傾向にあります。実務で扱う設備や、電気の出題を避けたいかどうかを目安に、受験する類を選ぶとよいでしょう。消防設備士の対策アプリから、受験する類を選んで対策を始めてみてください。
本記事は、一般財団法人 消防試験研究センター等の試験実施団体とは関係のない非公式の学習情報サイトによる解説であり、合格を保証するものではないため、試験制度・出題内容・合格率等の最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。